ビジネスを教える活動をしているとこれからますますコンテクストとコンテンツの話をすることになると予感があるので、ここにこってりとまとめておきます。
コンテクストとは何か?コンテンツとは何か?
コンテクストとは何か?

例えば、私は商売をやっているが、「親から譲り受けた会社をやってます!」というのと「自分で縁あって会社を興しました!」というのでは意味が異なります。
実際、前者と後者ではあなたも私に関する感覚が違うでしょう。
前者は、「あ、2代目なのね」「ボンボンなのね」などと思うかもしれません。
後者は「何で起業したんだろう?」「縁って何よ?」と思うかもしれません。
単純に「会社、やってます!」の情報に「親から譲り受けたんですよー」「色々と縁があってねー」という背景情報を書き込むと「会社、やってます!」の意味が変わりますね。
懐かしい英語の勉強で考えるとわかりやすいです。
【1】Today I have 2 lessons in school.
【2】Today I get the lesson from his death.
英語の勉強を真面目にした人は【1】【2】は意味が異なるのが瞬間的にわかることでしょう。
【1】は「今日は、学校の授業が2つあるよー」
【2】「今日、私は、彼の死に直面したことで、教訓を得た」と訳す。
話の文脈によってlessonという単語の意味が変わってくる。
これがコンテクストの力です。
コンテンツとは何か?

コンテンツは「情報の中身」を指します。
コンテクストを意識することで、コンテンツ(情報の中身)が自動的に変わっていくということです。

この画像、シングルCDですね。
これを見て、「懐かしいなぁ」と感じるのは今、35歳以上です。
35歳以下の人は「小さいCDなのかな?」と感じるでしょう。
なぜこのCDをみて、反応が変わるのか?それは他ならぬ自分自身がコンテクスト(背景)を持っているからです。シングルCDを買った時の気持ちだったり、「最近見かけないなぁ」という感情だったり。
上のCDの写真は一つのコンテンツですが、これを見て受け手の意味が変わるのは、まさにその人が持つコンテクストによるわけですね。
コンテクストは外側の器そのもの。
コンテンツは中身。

外側の形により、中身はいかようにも変化する。
コンテンツはパクれる。コンテクストは真似できない。
大事なことはここです。
例えば、この記事、「コンテクストとコンテンツの違い」がすごくバズって人気の記事になったとします。
そうすると多くの人が真似して記事を書くことでしょう。
しかし、絶対に私のようにはなりません。
コンテンツをパクることはできてもコンテクストをパクることはできないからです。
私のコンテクストはどこにあるのか?
ここです。

このアカウント名を見れば、どういう背景を持っているか分かるわけです。フリーコンサルを15年も続けている人はいませんからね。
老害という言葉も、多くのコンサルの人は「最も言われたくない言葉」ですからね。これをつけることはできませんし、つける勇気もないでしょう。
唯一無二のものを表現することが大事なんですね。
「老害コンサル15年目」という ネーミングに込めた差別化要因 ←バリバリ狙ってつけています。
厄介なことに今は、ちょっと気を抜くと、このプロフが似てくる時代です。
例えば、
「20代ブラック企業で働かされ鬱になり、体調を崩したが、その後自宅で起業し、Youtubeで10万チャンネル登録まで復活した男がビジネスコラムをお届けします」
このプロフィールを読んでどう思います?
そう、割と似た人っていますよね?
既視感があります。これが曲者です。
本来、コンテクストは個人特有のものであり、一人として同じ人はいないはずです。
あなたの人生はあなただけの唯一無二のもの。
しかし、似てくる。似てきてしまう。
それはなぜか?
コンテクストに対する理解が浅く、表層的で、自分という人間の唯一無二性を表現できていないからです。
これが大問題です。
自己認識が甘いと、せっかくのコンテクストが手垢にまみれた感じになります。そうするとコンテクストも似てるし、コンテンツもそっくりだったら、行き着く先は、、、価格競争であり、レッドオーシャンです。つまり、ビジネス的な失敗です。
これを避けるためにもコンテンツとコンテクストの理解をしっかりとしておく必要があるんですね。
コンテクストがきちんと表現されていれば、
コンテンツが普通でも価値が出る。
ここが大事なんです。
多くの人は「何を」、つまり中身を求めていると考えがちですが、
実は「誰が」、つまりその人の唯一無二性を求めているわけです。
インフルエンサーってまさにそうですよね?
中身がそれほど面白くないけど、ある程度数字を持っている人(コンテクストが共有されている人)だと割と間が持ってしまいます。
コンテンツは中身であり、商品そのものです。仕事でやっている場合は、このコンテンツのクオリティは自然と上がっていきます。頑張れば頑張るほどレベルアップする。
しかし、コンテクストはしっかりと狙って訴求しないと爆死します。
だからこそ、意図的に情報発信するべきは、コンテクストなんですよね。
コンテクストを先に認知させてしまって、「この人、変わってる人だなぁ」「なんか不思議な人だなぁ」「見たことないなぁ」と相手の脳内をジャックしてから、中身であるコンテンツを投下していけば、いいんですよね。
コンテクストが先で、コンテンツが後。
この順序を理解できているかどうか、、、ここなんですよね。
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